―――コンコン…



全ての写真を集め終わる頃
ドアをノックする音がした。



『開けるけど平気か?』


「今開けるッ」



『ふう…』と息を吐き
気持ちを落ち着かせてから
ナツメを招き入れた。



「どうしたの?
 次のスケジュールまで
 まだ時間があると思うけど…」


「昨日の事もあったしな。
あれから大丈夫だったか?」


「あー…。
 家は特に問題なかったけど
 こっちの方が問題かも」



そう言ってヒメは
拾い集めた写真達と手紙を
ナツメに手渡した。



「は?なんだコレ」



1枚1枚その写真を見ながら
予想もしなかった出来事に
ナツメは表情を曇らせた。



「俺宛ての脅迫状とは上等。
 すげぇ挑戦者」



そして何を考えているのか
手紙を読みながら
不適な笑みを浮かべた。



「迷惑掛けて…ごめん」



言いながらヒメは
急に目の前が白くなるのを感じ
立っていられなくなってしまい
デスクにもたれ掛かってしまた。



「お、おいッ」



慌てたナツメは
すぐに駆け寄り
ふらつくヒメの体を支えたが…



「顔色真っ青。
 どうした?
 具合悪いか?」



明らかに
血の気が引いた顔色のヒメは
頷くのが精一杯だった。