「どしたの…みんな」
完全に女性陣3人は
泥酔してグッタリとしていた。
ヒメがいない間に
よっぽど盛り上がっていたのだろう。
「まったく…。
とにかく送っていかなきゃなんで
今日は帰らせてもらいます」
ヒメは自分の鞄から財布を取り出し
1万円札をテーブルに置くと
女性達を揺さぶりながら起こしていく。
フラフラしながら歩く彼女達を庇いながら
鞄も回収。
忘れ物もないか辺りを見回す余裕も見せながら
スマートに撤収。
そのたくましい姿を見ていた男性陣の
心を打たれたのは言うまでもない。
ヒメ達が帰っていった後の男性会が始まった。
「神崎ヒメちゃんって言ったっけ。
あんまり話しなかったけど
さっきので高評価」
「1番、結構な量飲んでいたはずなのに
全然平気そうだったし
それどころか介抱する側だったな」
「顔も可愛いしな。
そう思わないか?ナツメ」
1人の男が急に話題を振ったのは
若社長“ナツメ”
「楽しそうで何より。
仕事が残ってるから帰るわ」
まるで興味がないらしく
金をテーブルに置き
出て行ってしまった。


