荷物もまとめ
早急にシャワーも済ますと
戸締りを数回確認し
布団に潜り込む。



(今度の休み不動産屋行こ)



横になる事を避け
電気をつけたまま
布団の上で掛布団を被り
壁に寄り掛かりながら
夜を明かした。



…翌日。



「最悪…
 全っ然眠れなかった…」



昨晩はウトウトしたかと思うと
外部からの少しの物音で起こされ
隣から聞こえてきた足音をキッカケに
完全に眠気が飛び
目が冴えてしまった。



「寝不足ツラすぎ」



ソファに深々と腰掛け
酷い睡魔に押し潰されそうになりながらも
秘書室で郵便物を仕分けていると。



「名前がない郵便…?」



差出人が記載されていない
社長宛てのA4サイズの茶封筒が
目に入った。



「社長宛てなのに差出名がないって
 さすがにダメでしょ。
 怪しすぎる」



何か危険なモノではいけないと
慎重に封を開け
中身を出して唖然とした。



「なんなの、マジで」



出てきたのは
大量の写真。


それもすべてヒメしか写っていない。
そしてどれも
カメラ目線が1つもない。



ベランダで洗濯物を干している姿
仕事や買い物から帰ってくる姿
それに仕事を出入りする姿。