社長専用車に乗り込みながらも
さっきの男がまだ近くにいるのか
妙に気になってしまい
無意識に辺りをキョロキョロしてしまう。
もちろんそれは
ナツメにも気付かれ…
「さっきからどうした?
外の様子を気にして」
「え、そう?」
誤魔化しを図るが
ソワソワしている事は
他人には違和感に感じるようだ。
「誰か捜してんのか?」
「その逆。
捜されてんの」
「は?なんだそれ」
「まぁ、ちょっとね…」
隠しきれない若干の恐怖が
表情に表れてしまう。
そんなヒメの様子から
何かを察したナツメ。
「何があったんだ?
危ない事なら話しな」
「いや、でも
社長を巻き込むワケにはいかないし」
「言いなさい」
ヒメの否定にピシャリと拒否。
この期に及んで
秘密に出来なくなってしまったヒメは
少し考えた結果
白状せざるを得なくなった。
「たいした事ではないんだけど…
最近、こんなのが多くて」
そう言って鞄から取り出したのは
今朝、ポストに入っていた
脅迫とも取れる内容の手紙。
「完全なストーカーだな。
いつから来ているんだ?」
「ココ1~2週間くらい」


