そう考えていたのに…
翌朝、昨夜見なかったポストを開け
いつも通り郵便物を確認すると
いきなり1番上に見つけた
また、あの手紙。
「またか…」
出社前にこの手紙を手にするのは
極めて苦痛でしかない。
今日はどんな内容なのかと
恐る恐る封筒を開けた―――
“神崎さん。
全然ボクの存在に気付いてくれない。
それなのに、昨日の男は誰?
どういう関係?
あの男はキミに触れたね。
ボクは近付く事すらしないのに。
遠くから見ているだけにしていたのに
不公平だ。
ひどいよ、神崎さん。
もう我慢出来ない。
ボクももっとキミの近くで
キミを感じたい。
誰にも渡したくない。
ボクのモノにする“
「今までで1番恐ろしい内容だけど
よくこんな事が書けるよなぁ」
思わず感心してしまった。
『昨日の男』とは
たぶんナツメの事。
だとすれば
この手紙は明らかに
今朝入れられたモノ。
どこからか
ナツメといるところを
見られていたんだと考えた。
夜が明ける間に
コレをポストに入れられたとしたら
すぐ近くにいた事になる。


