恋をする、その先に…


心配してくれている事に感謝し
自分の仕事に戻るシキを見送ると
ヒメもまた
気を取り直して仕事に励んだ。



「今日のスケジュールは…っと」



デスクで仕事を続けるナツメの横で
今日の予定を一通り読み上げ
最後に『宜しくお願いします』と締めると
ナツメはノートパソコンを閉じた。



「今日って
終わるの21時だっけ?」


「うん。
 今日は打ち合わせが終わるのが20時半だから
 それから帰ってくれば21時くらいかと」


「…そっか。
 それなら今日はジルヴァラに付き合いな」


「…え?」



なぜか突然のナツメからの誘いに
思わず面食らってしまった。



「それは…仕事?」


「誰がBARで仕事するんだよ。
 仕事外に決まってるだろ」



じゃぁどうしてなのかと
理由が思い浮かばないまま
時間は過ぎ…



―――21時。
【BAR:ジルヴァラ】



「珍しく2人一緒じゃないですか!」



店に入るなり
嬉しそうに満面の笑みで迎えてくれたギン。



「どうも。」



それに比べてナツメは
あいかわらず表情を表に出さない。