腕時計で時間に焦り
急いでインターネットを消すと
秘書業務へと切り替えた。
「大丈夫か?
疲れてるなら休むか?」
「平気、平気。
ちょっと調べものしてただけ。
それに今は休むどころか
出来るだけ多く仕事入れてほしいくらい」
ストーカーらしき存在に面倒さを感じ
少しでも仕事をして
気を紛らわしたかった。
かといって
さすがにナツメには相談出来ず
1日は終わる。
真っ暗なアパートの廊下を通り
日課であるポストの中身を取り出す。
そしてまた見つけた
同じ白い封筒。
“神崎さん
いつも帰りが遅いんだね。
そのスーツはどこかの会社の制服?
似合っているよ。
ボク好みの清楚なキミの事を
もっと、もっと知りたい。
会いたくてたまらない。
いつも遠くから見ているよ“
発言がグレードアップしていた。
「…マジ?見られている?
完全にストーカーだわ」
読んだ瞬間
ゾッとした。
どこからどこまで知っているのか
今こうしている間にも
どこの誰だかわからない人間が
自分を見ているかもしれない。
「無視しよ。
関わったらロクな事にならない」
若干の恐怖はあるが
相手にしない事が1番だと考えていた。


