いったい何者なんだろうか。
「で?どう?
ナツメの秘書は」
秘書決定の方向で
話が進むから焦る焦る。
「どうって…
今日からだからわからないですけど…」
「そうなの!?
気の毒」
「え。」
男に向けられた
まるで“可哀想な人を見るような目”と
あまりに意味深すぎる言葉に
イヤな予感しかしない。
「キミで秘書3人目だけど
アイツの元で仕事したら
メンタルも身体も保たないよ?
大丈夫?」
「それってどういう事ですか?」
「アイツ
性格がスパルタだから
秘書をコキ使うの多いんだよ。
それでなくても社長は仕事がハードだから
秘書も仕事が増えて大変なのに。
ま、それでみんな辞めているんだけど」
それを聞いて
ゾッとした事は言うまでもなく
そんな人間と1日中一緒に働く事が
今後の不安要素でしかないのも
間違いない。
「根が悪いヤツなだけだから
気にしないで」
まったくフォローになっていないし
それどころか
“性格悪い”って言っちゃってる。
果たしてそんな事を聞いて
気にしない人間がいるのだろうか。


