それから幾度となく
セナはナツメの会社に立ち寄り
彼に会いに来た。
本来、秘書であるヒメに
アポイントを確認するべきだが
彼女は個人的にナツメと連絡をとり
ヒメも知らない間に訪ねてくるようになったのだ。
「くっそ。イライラするッ」
給湯室で煙草を吸いながら
怒り心頭しているシキは
自販機に八つ当たりしていた。
「副社長どうしたの?
珍しく荒れてるけど落ち着いて」
ヒメはコーヒーを準備しながら
荒れるシキをなだめた。
「セナが毎日毎日ナツメんとこにいるから
サボリに行けないんだよ」
真剣に怒るシキを他所に
『そんなに兄貴と一緒にいたいのか』と
思わず笑ってしまった。
「ナツメもセナには心を許してるから
拒絶しないし」
「そう…なんだ」
クールなナツメが
心を許して傍にいてもいいと思うのが
セナだという事に
胸がズキンと痛んだ―――
コレがなんなのか
よくわからないが…。
「俺、あの人苦手なんだよね…」
「え…意外」
シキのまさかの発言に
目を丸くしてしまった。
「意外って。
あの人、いつも笑顔なんだけど
妙に恐怖を感じる」
「…そう?」


