お茶を入れ
社長室に戻ると
ちょうどセナも帰るところだった。
「また来ますね
神崎秘書さん」
「あ、はい…」
ニコッとしたセナは
あまりに綺麗で魅力的で
それは女のヒメですら
納得する。
「…はぁ~」
セナが出て行ったあと
ナツメは深い溜め息を吐き
胸ポケットから煙草を取り出した。
「え、ココは禁煙でしょ?」
「…今日だけカンベンして」
『自分が言ったのに…』と
呆れてしまったが。
しかしたぶん
余裕がないほど
何かストレスなんだろう。
シキから聞いた
“元婚約者”の話を
本当は本人に確認したかった。
しかし
誰にも言わないって事は
言いたくないという意味。
それを無理に聞いて
自分に何が出来るのか…
それにもし話させて
ナツメがイヤな思いをしたら…
そう考えると
シキの言うように
触れないよう
関わらない方がいいのか
頭の中が混乱する。
「なんだ?」
「え?」
煙草を吸いながら
嫌悪の感情を
ヒメに向けた。
「さっきから
人の顔を凝視してるけど。
何か言いたそうだな」
バレていた。


