恋をする、その先に…


「柊 セナです。
 今後とも仕事上で
付き合いがあると思います。
宜しくお願いします」


「あ、はい…」



社長室で名刺を渡され
頭を下げるヒメ。


柊 セナとは。
大手企業の社長令嬢。
昔からナツメの会社とは
取引先としても関わりがあったが
実はそれだけではない。


ヒメもそれには気付いていた。
なぜなら
セナが来てからずっと
ナツメは終始黙ったまま。
目を合わせようとしないからだ。



「お、お茶入れてきます…」



なんだか空気が重く
居づらくなってしまい
ヒメは言い訳を作って
社長室を出た。


すると
ドアの向こうで
シキが腕を組んで
立っていた。



「来ちゃったねぇ…
まさかこんな日に来るとは」


「副社長も知っているんだね
 彼女の事…」


「まぁね。
 だけどナツメの方が
 詳しいよ。
 ヒメちゃんはアイツから
 どこまで話を聞いているのかな?」



“どこまで”
そう聞かれたが
なんの事を言っているのか
サッパリわからず
首を傾げるばかり。



「その様子だと
 何1つって感じだね。
 まぁ、あの人が来た事だし
 知るのも時間の問題か…」