恋をする、その先に…


―――翌日。



「え、もう帰るの?」



結局ヒメとは
ほとんど話さず
父親は帰る事になった。
滞在期間 1泊2日。



「ヒメの顔も見れたし
 別の目的も果たせたからな」


「別の目的…?」



キョトンとするヒメを他所に
父親はナツメに笑顔を向けた。

ナツメもそれに応えるように
小さくお辞儀をすると
ヒメは2人の様子を見て
昨晩何があったのかと
首を傾げた。



「じゃぁ飛行機の時間もあるから。
 僕はコレで失礼するよ」


「え、うん。
 気を付けてね…」



最後まで何があったかは話さず
そのまま父親とは別れ
残ったヒメとナツメ。



「昨日お父さんと
何かあったの?」


「…いや?
 一緒に飯食っただけだ」


「…ふーん。
 なんか怪しい」



ジーッと横目で流しながら
『何話したのたの』と問い詰めると
ナツメは少し黙り
しばらく考えてから
口を開いた。



「お前の親父さん。
 心配してたぞ」


「え?」


「お前が思い出した
 あの事を…」


「…そう」



“あの事”で
すぐにピンときた。

それを含め
父親が日本に来た理由に
感付いた。



「全部…聞いたんだね」