恋をする、その先に…


翌日も
雨は止む気配を見せない。



「うわー
 今日もまだ降ってんじゃん。
 早く太陽が見たいんだけど」



社長室の窓から
外を見ながらボヤくシキ。



「…で?
 だからって
 お前は何してんだ?」



天気に負けず劣らず
不機嫌MAXのナツメが
窓際で何かをしているシキに
溜め息混じりで問う。



「何って見ての通り
“てるてる坊主”
 吊るしてんの」



そう言いながら
社長室の大きな窓に
これまた大きめの“てるてる坊主”を
惜しみなく何個も吊るしていく。



「なぜこの部屋で吊るす?
 お前の部屋かマンションでやれよ」



ごもっともな意見だ。



「マンションも
 ナツメの部屋にしよっか?」


「そうじゃねぇよ」



『子供かッ』とツッコむナツメに
完全に無視したシキは
しっかりと全部を吊るし終える。


しかしよく見ると
どうやら“てるてる坊主”の
頭が重いらしく
これではまるで…



「なんか首吊り…」


「言うなアホ」



シキの言葉に
『縁起でもない事言うな』と遮断。


暗い空に雷
それに加えて頭の下がった
数個の“てるてる坊主”
なんともホラーだ。