「ナツメいるー?」



あいかわらずノックなしで
ズカズカ入って来たシキ。


ナツメはもうそれについては諦めていて
一切注意する事もなく
それどころか、基本スルー。



「あ、そうだ。
 シキも行くからな。
 コイツは一応副社長だから」


「あ、うん」


「え、何?
 なんの話?」



きっとシキの事だ。

パーティーという場だ。
キレイな女性が多いのだから
喜んで飛びつくんだろうなと
頭の片隅で考えてしまう。


シキが使用している謎の別室は
結局、詳細はわからないままだが
女好きは否定出来なかった。



「ヒメちゃんも行くんだぁ。
 ドレス姿、絶対似合いそ。
 楽しみにしてるね」


「シキ、口説くな。
それに本来の目的が間違ってるし」



シキの爽やかフェイスによる
イケメンウインクを向けられたところで
すかさずナツメのツッコミが入る。



ナツメ達にとっては
そういう場は慣れているが
ヒメにとっては違う。


産まれて初めての経験に
ただただ不安と心配が大きかった。



――そして、パーティー当日。



夜からのため
朝からヒメとナツメは
高級な店舗のハシゴを始める・・・のだが。