「なんか、スゴくね?暗いから自分がどこにいるかわかんねぇし、螺旋階段だから方向感覚なくなるし」

たしかに……。

「迷子になりそうだな」

「あぁ……」

ずっと螺旋階段だから何階に居るのかもわからない。

「ここだ」

先生が隠し扉を開けた。

扉をくくると、明るく広い大理石の廊下。

廊下は曲がり角が一切なく、長い。

螺旋階段や玄関からは想像がつかない美しさ。

「綺麗だな」

「だな」

土足で歩くのがもったいないくらいだ。

「寮の部屋が同じ者同士が今回も同じ部屋だ。一人部屋のヤツは、もれなく先生と相部屋だからなー!」

先生の言葉に、

「ドンマーイ!」

という爆笑がおこる。

「先生と相部屋とか最悪だわぁ」

一人部屋の生徒が笑った。

「じゃあ廊下で寝てもいいんだぞー?」

「あ、大丈夫っす!全然相部屋でいいっす!」

再び笑いが起こる。