そして、1週間はあっという間に過ぎて、今日はバレンタインデー当日。
先生に渡そうと、あたしの手には昨日作った生チョコの入った紙袋。
しかし、さすが先生。
「先生ーあたしのチョコ貰ってー!」
「ずるい!あたしの貰ってよー!」
女子生徒に囲まれてます。
あれじゃ、渡せないよ…
あたしは、仕方なく教室へ戻った。
それから毎時間終わる度に会いに行ったけど、必ず他の女の子達が居て、諦めて教室へ戻る始末。
結局、放課後になっていた。
「じゃあ、舞頑張ってね!」
「うん!圭子もね!」
走って教室を出て行った圭子は、今から尚君に告白しに行くらしい。
うまくいくといいなぁ…
いや、絶対うまくいく。
圭子は気付いてないけど、圭子を見る尚君の目は幼馴染みとしてじゃなく、1人の女の子として見てる、そんな目だ。
別にイヤらしい目で見てるってわけじゃなくて、好きな子を見てる恋した男の子の目って事。


