そんな先生との出会いは、1年くらい前。


新任の教師としてうちの学校にやって来て、すぐにあたし達の担任になった。



初めは、イケメンな先生だなぁって感じだった。


もちろん、好きでもなかった。




でも、1学期の中間テストで、先生の担当する数学だけ点数が悪くて、先生に呼び出されたんだ。


「山中、何でお前数学だけこんなにダメなんだ?」



うっ…

そんな事言われたって…


苦手なものは苦手なんだ。


公式とかいっぱいありすぎて意味不明だし。



「お前、これじゃ行きたい大学行けねぇぞ?いいのか?」



いいわけないじゃん…


でも、どうしたらいいか分かんないし…




とにかく黙っていたあたしに、先生はため息をつくと


「明日から放課後居残りな、俺が教えてやる」


そう言ったんだ。