「せ、んせ…?」
どうにか涙を堪えて呼ぶと、ん?と首を傾げる先生。
「あたしも…好き、です」
恥ずかしくて、顔が上げられない。
だから、今先生がどんな顔してるのなんて分からない。
「個人授業で先生の色んなところを知っていくうちに、自分でも気付かないうちに好きになってました」
何も言わず黙ってる先生の反応が怖くて恐る恐る顔を上げると…
「え、先生?」
片手で顔を隠し、耳まで真っ赤に染めた先生がそこにいた。
「見るなっ」
プイっと窓の外を見る先生。
こんな先生、今まで見た事ない…
驚く反面、先生をそうさせたのは紛れもなくあたし。
嬉しくて、つい笑っていたようで…
「何笑ってんだ!大人をからかうな!」
って怒られちゃった。


