「どう?ちゃんと撮れた?」
「わぁー、いいじゃん、背景の桜がきれいで、最高の写真じゃん。」
「いやぁん、私、顔に墨がついてる」
「私もだわぁ・・・」
「それがいい想い出になるんだよ。」
「人事だと思ってぇ。」

と学君が女子とやりとりしていたところ・・・香織ちゃんが習字の筆に墨をつけてきて・・・、「そんなお前はこうしてやる!」と、学君の顔に落書きを始めた。

「え?マジ?」
「やった!香織、もっとやれ!」

学君はまるで、正月の羽子板で大負けした時のような落書き顔で記念撮影をさせられたのでした。

「学君、サイコー!!」

そんなこんなで、思わず注目を浴びた学君本人も、なんか、まんざらでもないような嬉しそうな顔をしてた。香織ちゃんへの照れ隠しの暴言は忘れてはいなかったけど。

しばらくそんな賑やかな大撮影会の時間を過ごし、勿論、僕のもシャッター押してもらった。かつお君とコリンちゃんと僕で、ギョタク持ってるバージョンと、持たないバージョンで、背景は勿論桜と青い空。この日の写真は僕にとっても一生涯の思い出となる。