「オレはきっと、オレらのクラスメイトなら、ぜってー非現実的なことでも信じてくれるぜ!って思う。」
「なにを根拠に!」
「だって、3年の時、あの桜の木の出来事見てた野球クラブの男子が、1、2、3、4、と、マネージャーの理恵ちゃん、美幸ちゃん、オレ含めて7人もいるんだぜ?少なくてもその残り6人は、まさおの事神様の子供だって今も信じてるし。」
『そうなの?そりゃ、びっくり。』
「オレが一人だけ言うなら誰も信じないかもしれないけど、きっとクラスの何人か桜の木の出来事の証人になってくれたら、他の子たちも信じてくれて、そしたらさ、マグロの中にまさおがいるって事も信じてくれて、そうすればあと2週間ぐらいは皆と一緒に過ごせるじゃん。」
『うん~・・・。』

かつお君は、やっぱり学校生活に未練があるのかもしれなかった。学君の言葉に、学校へ行くことに興味を持ち始めたような気がした。

「まさお、海で泳いだりする夢は叶っても、皆で体育の授業したり、駆けっこしたりしたくね?」
「学くん、体育とか駆けっこはちょっと無理じゃない?」
「んな事ねーよ。将太が変わりに走って、背中にいるだけで気分は味わえるだろ。参加することに意義があるんだよ。な?」
『うん。ボク、駆けっことか・・・したい。』
「だろー?明日、絶対来いよ!学校。先生だって将太の事心配してんぞ!」
『ボクも実は、将太君のこと学校休ませて、本当は罪悪感とかあったし。』
「かつお君、罪悪感だなんて!」
『ボク、ガッコ行ってみたい。・・・ダメ?』
 ・・・わかったよ。」

そんなこんなで、明日学校に行くことになってしまった。

「じゃあ、せっかくだから、そのリスっ子も連れて来いよ。」
『リスっ子じゃなくコリンちゃん。』
「なるほど、名前もあるんだ。可愛くて皆大喜びだぜ。」
『でも約束して。コリンちゃんを捕まえて学校で飼おうなんて思わないこと。苛めない事。もし約束破ったらマジで生涯呪うからね。』
「呪いかよぉ。こえぇ。了解了解~。」
『良かったね、コリンちゃん。明日、人間達の“学校”ってトコ、どんなところなのか連れて行ってあげるよ。』
『わーい、なんか楽しそう。楽しみだわ。』