「ヘイ、らっしゃい。500円玉1枚ポッキリだよ。おや?リスっこやけになついてるね。ペットかい?ん?おやおや?背中の魚は・・・珍しいね、めじかい?」

「めじ?」

どうやら、おじさんが言うには、まぐろにもいろんな種類があるらしく、魚の成長段階によっても呼び名が変わるんだって。
おじさんの辞書によると、かつお君はどうやら“黒マグロ”という一般に普通にマグロと呼ばれている種類で、前兆40cmから1mくらいの大きさのものを“ めじ ”とか“よこわ ” とか“ コグロ ”って呼ぶらしく、地域によって呼び名が違うんだって。

「このリスは、僕んちのコリンちゃん。魚は・・・お買い物帰りなんです、実は。僕んち、お父さん単身赴任だし、お母さん遅くまで忙しいから、お買い物は僕の役なんです。」
「へぇ~、小学生なのに偉いね。僕、年幾つだ?」
「はい、この間11歳になりました。」
「そっか、家の雄二と同じ年だな。同じ年で偉い違いだなぁ。」
「雄二君、横山雄二君って僕の同級生にいるよ。おじさん、もしかして雄二君のお父さん?」
「おっ?雄二のクラスメートってやつか!そうかそうか、ぼうや、家の手伝いが出来て偉いな、栗はおじさんからの駄賃だ。これからもお家のお手伝い、頑張るんだぞ!」
「えぇ?いいよ、おじさん。ちゃんとお小遣い持ってきたし。」
「いいんだよ!ガキは遠慮なんかするな。」
「あ、ありがとう・・・ございます。」
「ちゃんと、礼も言えるいい子だ。学校では雄二のこと宜しくな。」
「はい、こちらこそ。」

そんなこんなで、タダでコリンちゃんの甘栗GET出来てしまった。

『やったじゃん、将太君。これで500円分、余分に遊べるね。』
「うん。」
『さっきから不思議に思ってたけど、人間さんたちは代わった食料の仕入れ方をするものなのね。』

コリンちゃんが不思議そうに尋ねてきた。

『そっかぁ、お金でものを買うって、人間だけの文化だもんね。まぁ、これには色々とあって説明すると長くなるからね、今度ゆっくり話してあげるよ』
『人間さんたちの文化って、不思議なコトがいっぱいで楽しいわ。』