月で僕たちはサッカーをしていた。

普段は野球派の僕だったけど、1エーカーってサッカーコートくらいあるっていうことから、頭に描かれた場面はサッカーだったんだ。

クラスの友達がいて、1年生の時から5年生になるまでに同じクラスになったけど、今はクラス替えで別々のクラスになってしまった友達もいたりして、皆でサッカーをしていて、女子達が一生懸命応援してくれている場面。

勿論、その中にはちゃんとかつお君もいた。

クルクル・・・・ピタ!
クルクル・・・・ピタ!
クルクル・・・・ピタ!

「よし!決めた」

イメージ完成!

『?!え?どうしたの?決めたって何を?』
「このクレーター、僕も買うぞ!来年のお年玉で!」
『ホント?じゃあ、月仲間だね!ボクたち。』
「うん、僕がいつかおじいさんになって、人生を終えて、クラスのみんなも人生を終えて、そうしたらまた、今みたいな子供に戻って皆でサッカーしよう?」
『将太くん・・・』
「1エーカーってサッカーコートくらいあるんでしょ?」
『本当?!!ボクもサッカーの仲間に入れてくれるの?』
「勿論!だってもう、心臓だって痛くないでしょ?」
『うん、痛くない。それまでボク、月で土地の見張り番してるよ!』
「サンキュー!ちょっと長い時間待たせちゃうけど。」
『ぜんぜん、ボク、絶対待ってるし!!!』
「大きな地球を背景に、つきのクレーターの上でサッカーボールを思い切り蹴飛ばしてやる!」
『ボクは将太君と敵チームになって、将太君と戦ってみたい!』
「悪いけど、僕は足も速いし強いよ?」
『ライバルは強ければ強いほど燃えるんだ!』
「でも、かつお君は頭脳プレー派だろうな・・・・手強いかも!』

かつお君と一緒にスポーツをする事は僕にとっても、ずっと夢だったから、夢が叶うといいな・・・・って、思った。

「クレーターって、何エーカーあるのかな?10とか、100とか言われたらどうしよう?」
『ええ、1エーカーで十分でしょ?1エーカーなら3900円で足りるし。』
「だめだよ!クレーター丸ごと手に入れなきゃ!だって、僕、サッカーも好きだけど野球場も作りたいし。」
『子供のお小遣いじゃ無理無理。』
「ちぇっ、やっぱり、そうかなぁ?」
『欲張らない欲張らない。』