『ここが白鳥の湖?』
「うん。」
『湖がキラキラしてる。太陽の光が反射してダイヤモンドをちりばめているみたい。キレイだね。』

僕の肩越しに湖を眺めて、その絶景に感動してかつお君が言った。
 
「ほら、かつお君!向こうに!すごーい!!沢山いるよー。」
『ホントだー!スゴーイ、白鳥達!』
「うん。」
『連れてきてくれて有難う。』
『うん。 ( ^▽^ ) ホントに有難う。』
「 (*^ー^*) 」

『いいなぁ、白鳥はね、深い海を泳ぐマグロと反対で、どの鳥たちより高い高い空を飛ぶんだよ。そして、世界中を回るんだ。だからボク達の知らない色んな事を知っているはず。友達になろう!友達になって色んな話し聞かせてもらおうよ。』
「と、友達って・・・白鳥と?どうやってなるの?」
『簡単だよ。まずは挨拶すればいい。』
「ほ、ホントにー?」
『本当だよ。但し、心の中で、友達になれるわけがないとか、非現実的だ!なんてほんの少ぉしでも思っていたりしたら、もうダメ。』
「う、うん。信じるよ。だって、もっと非現実的な事が本当になってるし、こうしてマグロが僕の背中にいて、それが友達のかつお君だなんて、ありえないけど、実際ありえてるし、それに比べたら白鳥とお友達の方がまだ現実味あるっていうか・・・。」

『そう?じゃぁ、挨拶してごらんよ。』

「うん。」

ちょっとトキドキする。
小学校に入学した時に、教室で皆の前で一人ずつ自己紹介した時だって、こんなに緊張しなかったよ。
白鳥が逃げちゃったらどうしよう・・・。そう思ったけど、勇気を出して白鳥に話しかけてみた。

「おはよう。白鳥さんたち・・・」

白鳥達がこっちを見た。