『ガチャ！』

玄関の扉を開けると・・・、空は眩しいほどの光で僕たちを照らし、色鮮やかな空の青で、今日僕達がこれから出会う新しい一日への期待感を胸いっぱいに溢れさせた。

「うわぁ（＾▽＾）いい天気だね！」
『うん！（＾ー＾）♪晴れて良かったね！！」

古くてさび付いた僕の長年愛用のオンボロ自転車、“イーグル号”さえ、今日の僕の目には世界一格好良いマウンテンバイクのように見えてしまう。

あ、“イーグル号”ってこいつを買ってもらった時に付けた名前ね。

かつお君を背中に、イーグル号に乗って、思い切り風を切る。

ああ、風が気持ちいい！

青空の彼方では、本物のイーグルが飛び回っていた。
秋晴れの空気の匂いもイイ感じ。


公園の入り口からはイーグル号を止めて、ここからは歩きになる。
森の中を歩いていると、かつお君が僕の背中で、色んな木や植物の名前を言い当てていた。

『あれは、みかんの木、そっちのは柿の木。もう少しすればミカンも柿も沢山実るよ。』
「じゃぁ、その頃また一緒に来ようよ。」
『うーん、ボク今マグロだし、ミカンも柿も食べれないから。』
「そっかぁ・・・、残念。」
『ってゆーかさ、ほら、正直、四十九日過ぎてるだろうしさ。』
「さ、淋しい事言うなよ。」