『そ、そうかぁー、でも、将太くん、ボクがいなくなって淋しいって思ってくれて有難う。ボクにとって人間の友達、将太君だけだから嬉しいよ。だから、四十九日迎える迄のあと1ヶ月弱、毎日一緒に遊ぼう!ボクが一度行ってみたいと思っていた場所に将太君と一緒に遊びに行ったりしたいなーって、ボクの夢だったんだ。』
「え?かつお君の夢は潜水艦の船長じゃなかったの?」
『潜水艦の船長だなんて小さい時の夢で、5年生にもなれば、そんな現実離れした夢が叶いっこない事なんてわかってたし、潜水艦の船長になるのが夢だったのは、海の世界も見たかったのは勿論だけど、本当は宝物を見つけて、億万長者になったら世界一のお医者さんに病気を治してもらって、元気になって将太君と一緒にかけっこしたり遊んだりしたかったって事だったんだ。
海を旅して、海の世界を見る夢はもう実現したしさ、あとは、かけっこは出来なくても、将太君と色んなところに遊びに行きたいって夢も叶えなければ、成仏だって出来ないよ。
将太くん、ボクの夢・・・叶えて?! それとも、ボクと泳ぎの競争する?ボク、今なら誰にも負けないよ!あはははは!』
「そりゃ、僕泳ぎは得意だけど、マグロのかつお君になんか叶うはずないじゃんー。だけど、どうやったら僕がかつお君の夢を叶えてあげられるの?」
『ボクを、そのリュックに入れて、将太君ちに連れてって! そして、明日、遊びに行こう!』