放課後の勉強会のひと時は・・・
まだ終わっていない。

「まさお君って、やっぱり手の届かない存在?みたいな・・・。
そういえば、まさお君って、小学校に上がるずーっとずーっと前から難しい本が沢山読めてたもんね?」
「『?!海那美ちゃん、なんで知ってるの?』」

僕とかつお君がほぼ同時に同じ言葉を返してしまった。

「え?なんでって、まさお君も将太君も覚えてないの?」
『え?何を?』
「うん、何を??」
「うそー、ガーン。覚えてなかったんだー、ショックぅ~!。」
『だから、覚えてないって、何を???』
「はぁ・・・そりゃ、そうだよね。結局入学したらクラスも違って、5年になった時クラス替えで同じクラスになれたと思った時は、昔好きだった初恋の子と再会できるって、嬉しかったんだけどな。自分勝手な個人的な話しだけどさぁ・・・。」
「?!」
『えぇ?なに?今、なんかボク、トキメキ系の言葉が聞こえちゃった気がしたんですけど?』
「うん。僕も聞いた。昔好きだった初恋の子と再会?!」

と、大介君が突然目を見開いて、興奮気味に海那美ちゃんに話しかけた。そこへ、理絵ちゃんも加わってきて・・・

「なに、海那美って鈍感将太くんを好きだったの?香織の二の舞??」

そこで、海那美ちゃんが僕をかばうように・・・、

「理絵ちゃん、鈍感将太だなんて・・・。」
「へへ、メンゴ。」

すると大介君が無言で席を立ち、僕の背後に回ってきて、後ろからプロレスのヘッドロックという軽いワザをかけてきた・・・。

「や、めろ、痛たたた・・・。」

必死でもがく僕。

「将太、学の気持ちが分かってきたぞ。モテルからっていい気になるなよ。」
「痛ー。大介君、痛いってば!」
「理絵、違うよー。大介君も違うから、将太君を離して。」
「違うって、何が違うんだよ。海那美―。」
「もう、早とちりしないで。私が好きだったのは、その、・・・お君。」
「え、何?」
「だから、まさお君。」

この時、海那美ちゃん以外の勉強会に参加していた残り6名と、かつお君が一斉に声をあげた。