「お母さんが飼っていた

 トイプードルの名前もアンジュだったの」



少し潤んだ瞳で上を見るお母さん




「……お母さんは夢で,

 自分の犬と遊んでいたんだね」





たっぷりと間を取ってからお母さんが言う


「そうね………

 もし,鈴音が夢の中で人に会っているなら

 あなたの知っている人かもね」


意味深に微笑んで,料理を再開した




私の知っている人………か