再びノートを取ろうとすると,右から声が聞こえてきた


「山岸鈴音」


声の主は吹雪くん


すごく眠そうな目をしているけれど,しっかり私のことを見ている



「ん」



1冊の本……教科書を差し出してきた


少し低い位置だから,先生には見えない


「えっ?」


とりあえず受けとると,吹雪くんは何も言わずにまた寝てしまった