「ごめん?奈津とはクラスメイトだしね?」

取り敢えず在り来りの言葉を並べてみるが

「クラスメイトは付きまとったりしないと思うけど?」


あっさりと次の言葉で何も言えなくなってしまう。


学園の女子誰もが憧れる、学園の男子誰もが視界に1度は入りたいと思うだろう柊木莉子のイメージは完璧で心が乱れる時なんてあるのだろうかと思うほど平常心キープな人だと思っていたが目の前の彼女は

「荒れている」

「はい?...ちょっと奈津!男との浮気はいいなんて言ってないからね!」


「俺は莉子だけ」

興味なさげだった奈津が甘い顔をして莉子ちゃんに言う。なんつー顔してんだよこの一匹狼は。


「あ、当たり前じゃないっ」


真っ赤な顔をする莉子ちゃんは俯きながら早足で教室を出て行った。


「やべー、まじ可愛い」

俺の心の声は心に留まることを知らず、音となって漏れてしまった。