「莉子」
「ん?」
出会った頃より優しい顔つき優しい声になった奈津は私に微笑んでくれる。
そんな私も変わったとよく両親や司に言われるけど。
「今なら俺ばっか好きな自信がある」
またそんな好きが増すことばっか言っちゃって、隣を歩く奈津より早く歩き前に回り込むと私は笑顔で言った。
「私がいつから奈津のこと好きだと思ってんの?私の方が遥かに奈津のこと好きなんだから。」
最後ドヤ顔になった私に奈津はクスッと笑い
「時間なんて関係ねぇよ」
て言いながら私に手を差し出す
私は「まあ、確かにそうかも?」とふふっと笑い奈津の手に自分の手を重ねる。
お互いの指と指が絡み合い恋人繋ぎになる。
校門の前で立ち止まるふたりが自然と見つめ合い夕日に照らされて出来ている影と影が重なった。
*END*

