「おーい、莉子いるかー??」







「チッ」

思わず漏れてしまった舌打ちを許して欲しい。


和馬が言っていたことを今更ながらに理解したよ。



スッと立ち上がり、出入口でキョロキョロしている学園の王子様らしい椎名 司(シイナ ツカサ)こと私のいとこに近づいた。



私を視界にいれるなりニッコリと微笑む司はうざいの極みだ。




「なんか用?学園の王子様から呼び出されるなんていじめにあっちゃいそう」


「莉子がいじめられるなんて命捨てるようなもんだろ。」



「命まではとらないわよ。」



私の素を知ってるからか基本失礼なことしか言わない司だけど多分、司が私のことを一番理解してくれてると思う。




現に今日だって…



「そんなことより、莉子目立つの程々にしろよ。いい意味で目立つならいいけど他校の不良を回し蹴りで気絶させたなんて流石のご両親も黙っちゃいねえだろ。」



こうやって心配してきてくれる。


そして、恐らく昨日のことや常日頃の私の生活を全部把握して私を護ってくれている。