姫、私は誓います。

黙っていたラークペイさんが部屋を出ていこうとした俺の胸ぐらを掴んで今にも殴りかかって来そうだった。植物人間が振り撒いていた惚れ薬のせいとしても、片手じゃ足りないくらいの年月を愛した者が亡くなったんだ。そうなるのも無理は無いだろう。ただ、この状態の彼らをもっとドン底に落とすような真実を言って良いのか。2度の悲しみより1度のドン底か俺には分からない。ロンマニーさんの事を考えたら2度の悲しみなんだろうが、俺がもし皆の立場なら1度のドン底になりたい。

「姫が何者だったか知っているからだ。分かったらその手を離せ」

「姫は姫だろ・・・!」

「やめろ、ラーク」

ラークペイさんが拳を振り上げて俺を殴ろうとした時、ずっと黙っていたジンルークさんの重たい口が辛そうに開いた。そして、真実と向き合う事を決めた瞳で俺に言ってきたんだ。