姫、私は誓います。

ラークペイさんを毒の付いた剣で刺したのはあの娘が大切な仲間なら毒を吸って消し去ろうとするだろう。そう思った結果。自分の城を取り戻そうとした結果、あの娘は多くの犠牲を残して亡くなった。俺はあの娘を助けようと白魔法を使ったわけじゃない。白魔法を使っていたクラウドさんが使いすぎで壊れてしまわないようにクラウドさんの治療をするため。そしてケイロビンを助けなかったのは、クラウドさんなら片腕を引き換えに生かそうとする事が予想付いたため。
彼女は最後、目を閉じる時に笑っていた。ここまで皆との絆ができてしまっては自分を見殺しにはしないだろうという不適な笑みの方だ。でも、運がなかったようだな。窓がなく光合成の出来ない書斎に横になっていたせいで細胞が崩れ始め、点滴だが水分として受け入れ15日くらい持ったのだろう。でも、それが限界だ。植物なら生きた方なのかもしれないな。幸い、俺は彼女に恋なんてしていない。同情していただけだ。依頼人の残酷な運命として。

「俺、帰るわ。実家」