姫、私は誓います。

二人がどうして落ちたのかは聞こうと思っていながら未だに聞けていない。でも、私はこの風邪を引いて姫が私の中で絶対的存在になっている事を改めて実感出来た。やっぱり姫が好きなんだと再確認出来たのだ。
私が風邪を引いて姫が姿を現した時、驚きつつもすごく嬉しかった。誰かに看病をしてもらうという事自体久しぶりではあったのだが、その事実が嬉しかった訳ではない。姫という存在が私のために近付いてきてくれた。その事実が嬉しかったのだ。

「俺・・・、分からなくなるんだ。姫が何者なのか。・・・この世の者とは思えなくて少し怖いんだ」

珍しく、ルークが自分から心の内を明かしてくれた。人を愛する事をあまりして来なかったルークにとって、初めて愛した姫を理解しろという方が間違っているのかもしれない。でも、ルークの心は何となく理解できた。

「私も時々そう思います、姫が怖いと」