大丈夫だと言ってもラークの不安が完全に消えるわけでは無い事くらいは分かっているさ。それでも大丈夫だと伝えておかないともっと不安になるだろう。だから、俺たちは伝え続けるんだ。大丈夫だと。心配するな、俺が後は引き受けると何度も伝えてやるんだ。そうすればその場凌ぎでも不安はなくなるだろうからな。
俺が犠牲になって仲間が幸せになれるのならそれで良いじゃないか。一人の幸せよりたくさんの幸せの方が良いじゃないか。そうなるためなら俺はどんな不幸だって受け入れてやる。どんな不幸だって立ち向かってやる。仲間の笑顔が見れるなら俺はそれで構わないんだ。そう思えるようになったのは、いつからだったか。歳のせいなのか、何十年も前の話だからなのか。もしかしてと思う出来事さえ思い出せなくなっていた。

「わしはまだまだ生きてやる」

「でしたら、私はそれ以上生きてやりますよ。ラークもルークもレンもレンの子供も。全て見届けてやります」