ジンさんの恋人は私の目を見て頭を軽く下げてきた。霊体になった私の事が見えているのか、ただの偶然か。私には分からないけれど、私の仕事はここまで。後はいつも通り皆が何とかしてくれるんだ。

「ケイロビンさん！・・・ですよね・・・？」

彼女は私がいなくなろうとした瞬間、そう叫んで私を引き止めた。見ず知らずの彼女に名前を叫ばれて驚き、振り向いてしまったけれど冷静に考えてみればジンさんが写真を見せたのかもしれない。

「ランバートと一緒にいたケイロビンさんですよね？」

「ラン・・・？ジンさんじゃなくて？」

私はさらに驚いてしまった。ジンさんは恋人と一緒にいるってランが言っていたから、てっきりジンさんの恋人だと思っていた。でも、彼女はジンさんの恋人じゃなくてランが愛した人だったのね。