「ずっと西って・・・、どれくらい?」

「青い屋根の大きな教会が見えるまでだ。そこにはジンルークさんが恋人と一緒に住んでいるはずだ」

「え、まじ?あの堅物のジンさんにガールフレンド?やる。絶対やる」

ジンさんに恋人が出来ていた事は少し驚いた。けれどクウやランの話を聞いている以上、私以外のメンバーは皆関わっているようだった。だから、自分だけがレイアさんの妹を助ける手伝いが出来ていなくてムキになっていたのかもしれない。どうせ死ぬんだからもう少し皆と関わっていたいって思ったんだ。

「無理にとは言わない。その豆は離脱は出来るが戻る事は出来ない。だから、離脱した後のあなたは俺のように霊体のままになる。その体でこの世をうろつけるのは一週間も無い。逃げ出す方法があって死にたく無いのなら断ってほしい。仲間の死は正直ごめんだからな」