姫、私は誓います。

どうしていいのか分からない。二人とも助けたいのに、片方しか助けられないであろう案しか今の俺には思い浮かばなかった。俺がもう少しまともに生きていたらこんな事にはならなかったのだろうか。もう少しまともに生きていたら二人を助けられる案を考え付いたのだろうか。

「はい、私と彼が旅をしていると魔物の声がきこえたので入ってみると彼らがおりました」

クラウドさんはありもしない事実を国王たちに話し、レイアさんを引き渡そうとしていた。でも、それは匿っていたと思われているラークペイさんの死を意味する事を知らないはずがない。友達ゆえの尊重や協力なのか、それともラークペイさんだけでも助かる手立てを考えているのか。クラウドさんはただまっすぐに国王たちを見つめてありもしない事をラークペイさんと一緒に喋っていた。何をしようとしているのだろう。俺には想像すら出来ない。

「魔物の声とな?」