彼女はそれを私に言ってくれた。もやもやした頭の中ですっと言葉を発してくれた。私はまだ、正常な考えを持てているんだ。
「どれが正しいとか間違っているとか分からないけれど、その人たちはあなたが思ってる理不尽な事はしないと思う」
「急にどうした」
「言いたくなった」
負けたな。勝負していた訳では無いけれど、彼女には負けた。武術では勝てるのかもしれないけれど、負けた。正当だ。私はこの答えを待っていたんだ。自分の背中を押してくれる、一歩踏み出させてくれる言葉を待っていたんだ。
そう思うと、彼女が特別な人に思えてくる。どうして私の考えが分かったのか。どうして私の欲しがっている言葉が分かったのか。ただ、彼女に見つめられると石にでもされたかのように動けなくなった。というよりは、彼女から目が離せなくなったんだ。
「どれが正しいとか間違っているとか分からないけれど、その人たちはあなたが思ってる理不尽な事はしないと思う」
「急にどうした」
「言いたくなった」
負けたな。勝負していた訳では無いけれど、彼女には負けた。武術では勝てるのかもしれないけれど、負けた。正当だ。私はこの答えを待っていたんだ。自分の背中を押してくれる、一歩踏み出させてくれる言葉を待っていたんだ。
そう思うと、彼女が特別な人に思えてくる。どうして私の考えが分かったのか。どうして私の欲しがっている言葉が分かったのか。ただ、彼女に見つめられると石にでもされたかのように動けなくなった。というよりは、彼女から目が離せなくなったんだ。



