祐也と私と一平先輩

踊りたい衝動を押さえながら、生徒たちに目を配る。


.....しかし、暑い。

ウロウロしているだけなのに、額からは汗が流れ始めていた。

だとしたら踊ってるみんなはよけいに...。


五月にしては今日は気温が高かった。

おまけに窓を閉め切り、さらに黒いカーテンですべてを覆っているから、
あっという間に体育館の温度は上昇してしまったようだった。


じっとりとした空気が体にまとわりつく。


「窓、開けたほうが良くない?」


汗をぬぐいながら、近くにいた小坂くんに話しかけた。


「ああ、これじゃみんな熱中症になっちまう」


私と小坂くんは二階に上がり窓際に沿って作られた細い通路、
通称キャットウォークの窓を開けていく。


風で黒いカーテンがあおられると、光が差してクラブの雰囲気が台無し。


小坂くんと私は窓を開けると、カーテンがなびかないように裾をガムテープで留めて行く。

これなら風を通しながら光るをある程度遮断することは出来る。