祐也と私と一平先輩

はいはい、どうせ私はカバ子です。

ただ、彼女たちの疑問に答える義務はないので、私はスルーして歩き出そうとしていた。


「あっ、ねえあなた。カバ子さん」


突然声をかけられた。


はっ?


驚いて振り返ると、やっぱりさっきの女子たち。


な、何か用ですか?

清良先輩の友達に声をかけられたのがトラウマで。

不安を感じて心臓が”ドクッ”と高鳴る。




「確かあなたも役員さんだったよね?」


....私ってやっぱ影薄いってか、名前すら憶えてもらってないんだ。


「小坂くんって彼女いんの?」


いきなりそれですか。


「....さぁ?」


困った表情を作り答える。


「いんの?いないの?」

もう一人が語気を荒らげる。


「いやー、私にはちょっと」


頭をかいて苦笑い。