祐也と私と一平先輩

「お前はやらないよ」

頭をなでられて、小坂くんにそう評価されてることが、
なんだか嬉しかった。


歩きだした彼の後を歩きながら、

学校をやめて行った子は辛かっただろうな。

その子の親だって悲しかっただろうし。

切ない感情がこみあげてくる。



黙り込む私に小坂くんが声をかけてきた。


「お前の悪い虫が出たか?」


えっ?悪い虫?


意味がわからず足を止め彼を見る。



「他人の人生に深く肩入れすること。
お前が気に病むことじゃないだろ?」


「う、うん」


「そんな感情もいっときならいいんだけど、お前は深く考えすぎんだよ」


「そう....かな?」