祐也と私と一平先輩

そんなことをぼんやり考えていた時だった。


「藤崎とは中二から二年間付き合ってた」


前を向く小坂くんがポツリとつぶやいた。


えっ?


私は思わず彼の顔を見上げる。


小坂くんは視線を前に向けたままだ。


「あいつさ、いじめやってたんだよ」



「いじめ?」



「ああ、いじめの原因はよく知らないけどさ、同じ学年の女子をね。
で、その女子は高等部にあがるときに別の高校へ転校してった」


そうなんだ....。


「俺全然知らなくてさ。
藤崎は活発で頭もいいし、その....タイプだったし。
そいつがいじめのリーダーだったなんて最悪」


う....ん。


珍しく小坂くんの肩に元気がない。


彼にとってもショックな出来事だったんだね。

好きな子がいじめをしてて、そのせいでいじめられてた子が学校を辞める。

きっとダブルでショックだよね。