小坂くんは私の顔を見たまま黙っている。


「あっそうだ私タオル....えっと」


スクバをゴソゴソしてタオルを探す。


「あは、ダメだぁ。タオルも湿っちゃってる。
これだとノートもダメかな?」




「.....無理すんな」


「む、無理?」


二人の会話に雨音が割って入る。

雨は激しさを増しているようだった。



「泣けよ」


えっ?


「お前苦しいんだろっ!?
辛いなら泣けよっ!!
どうして無理して笑顔見せるんだよっ!?」



....小坂くん....。


「俺が受け止めてやるから泣けよっ!!」