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梅雨明け宣言はまだされていなかったが、
屋上へと向かう階段には、傾いた陽の光が夏の訪れを予感させるほど容赦なく射していた。

梅雨の合間の晴れ。


「もうすぐ夏か」


祐也は呟くと、屋上への扉を開けて外へと出た。


日差しとは対照的に気持ちのいい風がほほをなで、
言い知れぬ開放感を感じていた。


「....っと先輩は?」


あたりを見まわすも一平の姿はおろか他の生徒の姿もない。


誰もいないガランとした風景が祐也の目に映る。


屋上じゃないのか?


一応祐也はキョロキョロしながら屋上を一周して回ることにした。