「そう言えばさっきから一平がいないけど?」

キョロキョロして一平先輩を探す清良先輩。


「屋上に行くって、少し前に出て行きましたよ」


二年の一宮先輩が答える。


「屋上?何の用があるのかしら?
企画のことで相談したかったのに。
仕方ないわ。ちょっと私呼びに行ってくるね」


清良先輩が立ち上がった時だった。


「あっ、俺行ってきますよ」


突然小坂くんが立ち上がると、清良先輩に有無を言わせず生徒会室を出て行った。


「ちょっ、小坂くんっ!!」


清良先輩の呼びかけには答えず、小坂くんは”バタン”と勢いよく扉を閉めて生徒会室を出て行ってしまった。


「なによ...私が呼びに行きたかったのに」


不満気な清良先輩の呟きだけが虚しく生徒会室に響いた。