暗い部屋の中、寝転んでいるあたしはぼんやりと天井のビニールを見上げていた。


部屋に入ってくる光はどんどん少なくなっていき、夕方が近い事を知らせていた。


もう少ししたら箱の部屋の中は何も見えなくなってしまうだろう。


そうなる前に陽介君は帰ってくるだろうか?


朝食しか食べていないからか、体中にけだるさを感じて寝返りを打った。


何度目を閉じてみても眠ることができず、寝返りばかりを繰りかえす。


今日はミィも部屋に入ってきていないようで、あたしはたった1人でいる静かな時間に身震いをした。


普段は陽介君がいない時間を開放的だと感じていたけれど、今は違った。


この箱の中から早く出たい。


その思いの方が強くなってきている。


心なしか肌寒さや喉の痛みも感じられた。


「誰か……」


聞こえるはずのない声で助けを呼ぶ。


外はすぐそばにあるのに、とてつもなく遠い。


次第に箱の中は暗さを増していき、不安が募った。