獲物を狩る時のように伸ばされた爪。


差し込む月明かりでギラリと光り、それがゆっくりとあたしの元へと近づいてくる。


スローモーションに見えているのに、逃げる事ができなかった。


大きく口を開け、ミィの爪が近づいてきているのを見ている事しかできなかった。


あっと思った瞬間、ミィの爪があたしの羽に突き刺さり、そのまま持ち上げられる格好になっていた。


咄嗟に抵抗しようとするが、千切れた羽が落下していくのが見えて動きを止めた。


この高さから机の下まで落ちるのは命とりだ。


あたしは大人しくミィのされるがままになっていた。


ミィは爪に引っかったあたしをジロリと一瞥すると、興味を失ったように机の上に置いた。


ミィが大あくびをして部屋を出て行くのを見送っても、あたしの心臓はずっと鋼のように打ち続けていのだった。