ミィからどんな風に見えているのか、わからなかった。


もし本物の虫に見えていたとすれば、ミィの鋭い爪で引っかかれる恐れもある。


ミィが身を乗り出してあたしを確認しているのがわかった。


ミィの鼻先が近づき、呼吸に合わせて空気が揺れる。


あたしの背中についた羽がミィを誘惑するように揺れた。


ミィはそれをどういう風に見ているのだろうか?


恐ろしくて、顔を上げて確認することもできなかった。


ひたすら身を縮めて呼吸を殺す。


しかし、次の瞬間だった。


ミィが手を伸ばしあたしの羽にジャレ始めたのだ。


思わず悲鳴が上がりそうになり、両手で口を押えて耐えた。


ミィは何度も何度もあたしに手を伸ばす。


その爪先が羽をかすめて、あたしは体のバランスを崩した。


まるまったまま横倒しになったあたしは、ミィの爪を見た。