両手を限界まで伸ばし、思いっきりジャンプする。


手は机の端を掴むことなく落下した。


椅子の上に落ちるたびに右足がジンジンと痛む。


それでも、やめることはできなかった。


「もう1回」


あたしは自分自身に言い聞かせてジャンプする。


汗が流れて目に入っても、もう座り込むこともなかった。


あたしは絶対にここから出る。


生きて、ここから出て行ってやる。


そんな思いが胸の中で燃えていた。


その時だった。


あたしの微かな音に気が付いたのか、ミィが机の上から顔をのぞかせて来た


黄色く光る目を視線がぶつかる。


「ニャァ」


小さく鳴いた口元から白い牙が見えて、あたしは一瞬後ずさりをした。


あの牙でかみ砕かれたらひとたまりもない。


あたしは体を丸めて息を殺した。


「ニャァ」


ミィがまた鳴く。


嫌でも自分の体が震えてしまった。


あたしの背中には今羽がついている。